平飼い卵とは?鶏の飼育環境の違いについて解説

平飼い卵とは?鶏の飼育環境の違いについて解説

私たちにとって身近な食材である卵。毎日召し上がるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。日本の一般的なスーパーでは、ケージ飼育された鶏の卵が多く並んでいます。しかしHORIZON FARMSではケージ飼育された卵ではなく平飼い卵を紹介しています。この平飼い卵とはどういった環境で産まれた卵なのでしょうか。この記事では採卵鶏の飼育方法の違いを詳しくご紹介していきます。
アニマルウェルフェアとは? 意味や注目される背景など 読む 平飼い卵とは?鶏の飼育環境の違いについて解説 1 分

「ケージ飼育」と「平飼い」

採卵用の鶏の飼育方法ですが、大きく分けて「ケージ飼育」と「平飼い」に分かれます。

ケージ飼育

ケージ飼育とはその名の通り、鶏を檻に入れて採卵をする飼育方法です。バタリーケージと呼ばれる金網でできた檻での飼育が、工場型畜産の代表的なケージ飼育方法です。採卵鶏をいれるバタリーケージは狭いものでA4用紙サイズほどの面積しかありません。小さな檻なのでいくつか積み上げることが可能で、少ない面積で多くの鶏を飼うことができます。卵も自動で回収場所へ転がっていく仕組みなので、少ない人数で管理することができます。生産効率が高く、卵を低価格で提供することができます。しかし、鶏達は自由に運動をすることができません。ストレスがたまりやすく、病気にもなりやすい環境で一生を過ごします。2021年の時点で日本の採卵鶏の95%以上1がケージ飼育をされています。

平飼い

ケージ飼育に対して、鶏が自由に歩き回れる環境で育てることを平飼いといいます。鶏達は本来の習性に沿って、地面を突いたり走り回ったり、たくさん体を動かして過ごします。運動をしている鶏は体力がつき、丈夫な体に育ちます。また、安心できる狭い所で卵を産んだり、止まり木で休んだり、ストレスが少ない環境で過ごすことで、薬に頼らなくても病気になりにくい健康的な鶏に育ちます。

「平飼い」にも違いがある

「平飼い」といっても生産者によって、具体的な環境や他の飼育条件が異なることも重要です。平飼いには、屋外の草地の上で放牧に近い形で飼育する方法の他にも、鶏舎内で平飼いをする飼育方法や、鶏舎内に鶏が運動できる多段式のエリアを用意した「エイビアリー方式」と呼ばれる飼育方法があります。また、平飼いで飼われていても、成長ホルモン剤や抗生物質を使用されている場合があります。

HORIZON FARMSでご紹介している卵は、屋外の広々とした空間を自由に動き回って育った鶏の卵です。鶏達は太陽の日を浴びて、土の地面や草の上を自由に走ったり、木に登ったり、砂浴びをしたり、好きなことを好きなように思いっきり楽しむことができる環境で飼育されています。もちろん成長促進ホルモン剤や抗生物質などの化学的な物質も一切不使用で、非遺伝子組換えの厳選された上質な飼料を与えられて育った鶏の卵です。

世界の採卵養鶏場への取り組み

多くの国で、採卵鶏のケージ飼育を禁止したり、規制をする取り組みが行われています。近年取り組みはじめた国もあれば、10年以上前から取り組んでいる国もあります。スイスでは1992年からバタリーケージ飼育が禁止され2024年現在ではケージ飼育率は0%といわれています。アメリカも州によって禁止や規制を行ったり、大手企業がケージ飼育で生産された卵は使用しないという方針を発表しています。他にもヨーロッパの各国、ニュージーランド、スウェーデン。フィンランドなど、多くの国で採卵鶏の飼育環境改善への取り組みが行われています。

日本の採卵養鶏

先述した通り、日本の約95%ほどの卵がケージ飼育の環境下で生産されています。ウインドレス鶏舎という、窓のない鶏舎も普及しはじめています。また、実際に行っている生産者がどれほどいるかは正確にはわかりませんが、鶏同士のつつき防止のためのデビーク(くちばし切断)や強制換羽といった処置が、日本では禁じられていません。(※強制換羽とは短期間強制的に絶食を行い、換毛を誘発し、若返りのような効果を与え、産卵率をあげる処置のことです)

ケージ飼育やウインドウレス鶏舎飼育が続けられる理由

日本で鶏のケージ飼育が続けられている大きな理由のひとつとして、平飼いや屋外飼育は多くのコストがかかるということがあります。平飼いは面積あたりの生産効率が低いため、卵の販売単価が上がります。また、ウインドウレス鶏舎の普及には鳥インフルエンザなど感染症の影響が大きく関わっています。国によって気候や風土が異なりますから、平飼いや屋外飼育が普及していないことを簡単に指摘することはできません。しかし、それでもHORIZON FARMSではアニマルウェルフェアの観点から、可能な限り採卵鶏の飼育環境は改善されていくべきだと考えています。

アニマルウェルフェアに則った飼育環境

採卵鶏の飼育環境の改善には、ケージ飼育の卵と平飼い卵についての知識がもっと多くの人々へ広がっていくことが重要です。販売されている卵を価格だけで見るのではなく、どのような環境から来た卵なのかを知ること、知った上でどのような選択をしていくか、一人一人が納得した上で自分が購入したいと思う卵を選ぶことが大切です。多くの人が鶏の飼育環境について興味をもつことが、鶏達の幸せな飼育環境作りへと繋がっていくのではないでしょうか。

HORIZON FARMSの平飼い卵

HORIZON FARMSでは、より自然に近い環境で放し飼いにされて育った鶏達の卵を、産地から直送で皆様のもとへとお届けしています。鶏達は成長促進ホルモン剤や抗生物質などの化学的な物質は一切不使用で、非遺伝子組換えの厳選された上質な飼料を与えられて育ちました。思う存分身体を動かして育った平飼い鶏達の、生命力に満ち溢れた健康的な卵です。ぜひ一度お試しください。

HORIZON FARMSの平飼い卵の商品はこちらからご覧いただけます。

免責事項:この記事の内容は読みやすさを考慮し、簡潔にまとめさせていただいております。さらに深く知りたい方は、ご自身でさらにお調べいただくことを推奨いたします。

Sam Tumeh この記事を書いた人: トゥーメ サム (HORIZON FARMS株式会社の創立者&最高経営責任者) 2010年より日本の食肉業界に携わり続けている。

 

脚注

1 https://www.canada.ca/en/health-canada/services/drugs-health-products/veterinary-drugs/factsheets-faq/hormonal-growth-promoters.html

コメントを書く

担当者がコメント内容を確認し公開させていただきます。

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。

無料配送

お買い上げ合計金額が10,000円以上の場合、送料無料となります。※ 沖縄・北海道を除く